油彩 No.1

  

 油彩の一作目が完成。
なんどかデッサンしたことのあるワイン瓶とりんごをモチーフに、見たままをキャンバスに描いていたが、この絵を自分の部屋に飾りたいだろうか?と疑問に思った。自分の部屋にかけたい絵を描きたい。
 好きな色を使ったり、好きな画家の真似をしたほうがマシと思っていたところに、油彩の先生が「八木伸子さんは雪景色を描くのに下地に黒を塗っていたわ」と言った。


 「そっか、黒ねぇ....」と翌日、教室に描きかけのキャンバスを取りに行って、画布を黒の絵の具で塗りつぶした。
ところがなかなか乾かないのだ。それに絵の具が生臭い。臭くて寝れないのでベランダに出して、翌日、絵の先生に電話したら、1週間くらいかかるとのこと。ーーーそんなに〜! じれったいわねぇ...。


 絵を描く友人に油彩をしたいと話した時「マキさんは、水彩の方が合っているよ」と言われたが、そうかもね?と迷う。
迷いながらもなんとかしようと、子供部屋を片付けて画室にしようと思い立った。ベットの布団を押入れに突っ込み、ベッドの上にマットを敷いてイーゼルを置き、壁にシャワー用のビニールカーテンをかけたら部屋の汚れも臭い匂いもなんとかなるんじゃないか? とアイデアを巡らす。



 友人たちのアドバイスのようになるかもしれないし、そうではないかもしれない。始めたからには、とことんやってみないことには納得しないのだ。
 ーーーこの性格も相変わらずで、年を取っても直らんねぇ....。