喪服着用


 昨日、スーパーに行ったら、売り場が黒い服だらけ。お客も店員も黒い服で、改めて王国なんだと思った。
公務員は1年間、黒い服で喪に服するが一般市民にその義務はないから、喪服着用は国王が愛されていたことの証なんだろうと思う。


 バンコクの商店街でも黒い服やシャツを求める市民が押し寄せ、黒い服は品薄で通常の3倍の値段がするとか。ーーーこれから1年間は店頭が黒っぽくなってしまいますね。
 各種のイベントも自粛するそうで、日本語キャンプやスピーチコンテストなど、日本語を学ぶ生徒が楽しみにしているイベントがなくならないようにと願う。


 ひと昔前のこと。友人から「ガンが再々発した」と職場に電話があった。進行性のガンで手術をしない選択をしたとのことだ。目の前が真っ白になり、言葉が出なかった。
 その日は落語のチケットがあり「こんな日に落語なんて」と思ったけど、人の声を聞いている方が落ち着けると思い、出かけた。そしたら、なんと笑ったのだ。


 人の声は温かい。エベレストのABCキャンプ( 標高6300m)で、毎晩寝るときに聞いていたのが古いジャズボーカルだった。昼間の行動中は楽器だけの方がいい。なぜか気持ちが高揚し元気が出る。だけど夜、寒さと風の音だけの殺伐とした暗闇の中で、人の声は温かく体を包み込み、気持ちよく眠りに落ちた。


 その後、取材された「オントナ」の記者から教えてもらった志の輔新作落語みどりの窓口」。これはどんなときでも笑える。
笑いのツボは人によって違うと思うけど、こんなに笑えるのはないね。あの気難しい談志が「みどりの窓口」を褒めたのだそう。



志の輔みどりの窓口