ドキュメンタリー Sherpa


 エアコンを直してくれた、と喜んでいたら、外して掃除しただけらしく全く話にならん! 当然、涼しくもならん。
仕方がないので、動画サイトのEverestのドキュメンタリーで涼むことにした。登山ルートに放置された遺体は見覚えのあるものが数体あり、背筋が寒くなった。


 2004年、チベットサイドからエベレスト登頂アタックのとき、登山ルートに座り込んでいた人に声をかけ、すでに死んでいる...とわかり飛び上がるほど恐ろしかった。その遺体が登山者の目印にもなっている黄緑色のブーツの遺体の隣に移動されていた。ーーーあらためて、高所で動けなくなることは死を意味するのだということ、遺体は永遠に放置されたままなのだと思った。


 公募登山がポピュラーになり、良くも悪くもたくさんの映像がサイトにUPされている。そのなかでシェルパを取り上げたものがあり、興味をそそった。
 ネパールは20回くらい足を運んでいて、いつもシェルパにお世話になっている。ヒマヤラの動画を見ると、お世話になったシェルパ・ガイドがいないかな?とつい探してしまう。
 特にエベレストでお世話になったガイドは若かったし、独立して高所登山のサポートをしていると聞いたので、生きているんだろうか、と心配になる。エベレスト登山の死者は200人以上とのことだが、シェルパの死はそれを上回るだろう。


 白く荘厳なヒマラヤの峰々を背景に石を積み上げられただけのシェルパたちのケルンは、息をのむほど美しい。働き手を失った家族のことを思うと胸が痛む。ヒマラヤのガイドは死と隣り合わせの仕事で危険度が高く、その分収入もいい。とくにエベレストは1回のガイドで1年分の収入が得られる。
 それだけではなく、若いシェルパたちはクライミングが好きで仕事に誇りを持ち、年々ガイドの技術が向上していると聞いた。いいことだと思うが、死と隣り合わせの危険な仕事にかわりない。


 ドキュメントを見ていて、今も昔と変わらぬ慎ましい暮らしに、人間にとって何が大切なのかを考えさせられた。


Everest fromTebet side:
https://youtu.be/HlAiU5fIaKY