雪の日


 朝、静としていると思ったら、窓の外は白い世界。

 友が死線をさまよっている。

 ーーーこんな雪の日に旅立つのも素敵なことのように思える。



 高校時代、高台にあるお寺に住んでいた。

 四畳半の部屋に布団を二つ並べて寝ていて、あまりの寒さに彼女の布団に潜り込んだ。

 朝、目が覚めたら、田の字型の窓枠が外れて布団の上に雪が積もっていた。

 大笑いだった。



 冬、お寺の檀家用の広い台所で、カレーを作った。

 ジャガイモの大きさで喧嘩になった。

 イモが嫌いなわたしが小さく切ると、それじゃ美味しくないという。

 ジャガイモはどんな大きさになったんだろう、覚えていない。



 毎朝、二人で担任と教室に入るのを競っていた。

 そのうち教師はベルの鳴るのを廊下で待っていて、私たちは負けた。



 担任は言う。

「未定は予定であって決定ではない。夜中にお寺の鐘が鳴ったけど、今日も赤点取る人はいるでしょう....」

 寺の鐘を鳴らすと赤点取らないというジンクスがあって、私たちは男子を驚かせるイラズラに夢中になった。

 夜中に釣り鐘に仕掛けをしたり、お墓に縄を張ったりで、わくわくした。


 ーーー楽しかったよね。