食あたり

 コンケーン大学の日本語セミナーに参加中に急にお腹が痛くなった。
コウスケ君に「わたしさ、嫌な人に会うとお腹が痛くなるんだよね。今日、嫌な人いたかなあ」と話したら、「ぼくも痛い」と言う。
「えっ、それじゃあ、夕べなんか悪いもん食べたかな?」と二人で昨夜のメニューを思い浮かべる。カオマンガイ(鶏肉ごはん)でしょう、寿司でしょう、サラダでしょう、フルーツシュースでしょう、ワインでしょう、と辿っていくと貝のマリネらしきサラダが原因かも?ということになった。胃も痛み出してやばい。夕食はおいしいものをたらふく食べる予定だったが、おかゆにして、正露丸を飲んで寝た。


 翌日は30分おきにトイレに通う状態で、吐き気もしてセミナーどころではなくなった。朝昼食抜きで水分もだめ。おやつに出たおせんべいをねずみのようにかじりながら空腹を抑えていた。こんなときに当てられたらどうしょう、と思っている時にかぎって振られるもんだ。運悪く「ひさすえさん」と当てられてしどろもどろ。コウスケ君は?と見ると、たのしそうにタイ人教師と交流している。

 帰りのバスの時間も気になり落ち着かない。お向かいに座ったコンケーンで働いている日本人教師にコンケーン大学のバス乗り場を訊くと、バスステーションは通り道なので送ってくれるという。「やった!ありがとうございます」とバスステーションで下ろしてもらい、予定時間のバスに乗ることができた。

 しかし、バスはまれに見るオンボロバスでこんなバスはネパールでも走っていないぞ、それにパキスタンのように派手だ。
「すご〜いバスに当たっちゃったね」とコウスケ君に言うと「おもしろそう!」とたのしそうだ。
片側3人がけのシートに窮々と腰掛け、左右に揺られながら、コウスケ君はカラシーンで降り、わたしはトイレタイムでバスを止めることもなく、無事にクチナライに到着した。

 辺りはまっくらでトクトクのおじさんが「カウオンまで500B」とべらぼうな金額をふっかけてくる。カウオンまでは田んぼばかりでなにもない。身の危険を感じてクチナライに住むタイ人の日本語教師に電話した。運良く家にいて、学校まで送ってくれると言う。ありがたい!



 小雪先生はこの春、二ヶ月間東京の国際交流基金で日本語の勉強をしたという。「日本人は親切です」と言うので「タイ人も親切ですよ」と応えると「タイ人はいい人ばかりではありません」と言う。
 これは本当だと思う。日本人はめったなことでは凶悪な犯罪など起こしたりしない国民だと思うから.....しかし、海外では日常的に起こる。車の中でそんな話をしながら家まで送ってもらった。
 体調不良でやれやれなセミナーでございました。


 

彩果ちゃんに再会しました。

New friends ベトナム語教師と英語教師のムタフアさん