アイガー北壁

札幌のシアター・キノで行われた<アイガー北壁>の試写会に行った。オーナーの中島氏から北海道新聞を通して映画の前のトークショーの依頼があったとのこと。「えっ?そんな見当違いな山については何も話せません!」声も大きくお断りした。
アイガー北壁は、ヨーロッパアルプスの6つの北壁のなかで魔の壁と言われている困難極まるルートである。ハラーの<白い蜘蛛>やレビュファの<星と嵐>に有名だ。
この映画は1936年のドイツの若きクライマーについての登攀の記録である。
ストーリーは至ってシンプル、未知の登攀ルートに情熱を翔る若者がイデオロギーに利用されたと言う事実と愛と友情、4人のクライマーのバトルが描かれる。
そして、生と死のドラマを豪華なホテルで報道陣が双眼鏡を手に一部始終を見ているのだ。日常から非日常の世界を眺めている事のギャップ。このことを自分の事として捉えているのは、彼らの幼なじみでありクライミングの経験のある恋人、ルィーゼである。手の届きそうな位置でロープの結び目がカラビナにひっかかり宙づりになる。この写真は切なくあまりにも有名である。
エベレスト登頂後の2004年7月、この地を訪れキャンプをしハイキングと登山電車を楽しんだことがある。その日も登攀しているクライマーのヘットランプの明かりを見る事が出来たし、ヘリコプターの音に遭難?と心が波立ちざわざわした。
わたしがのんびりとのどかなキャンプをしてるとき,クライマーたちは情熱をかけ壁に挑んでいるのだ。心がひりひりするような気持ちに襲われた。
登攀に情熱を燃やすクライマーに憧れる。こころからすごいと思う。