大晦日

十年程前、東京で寺山修司天井桟敷の人たちと年越しをしたことがある。
高橋咲さんのお宅で、おせち料理を食べワインを飲みながら演劇論を聞いていた。お正月の間、寺山修司の資料館に泊まって詩集を読んだ。それまで寺山修司の本を手に取ったことはなかった彼の才能に驚き、その感性にはまった。
『空には本それをめくらんためにのみ雲雀もにがき心を通る』<海に霧>集英社文庫
昨夜、本のデザイナーさんの事務所で演劇をしている人たちに出会い、打ち合わせのあと忘年会になった。デザイナーさんの料理の腕前はプロ級で、え〜?、はあ〜!とかいいながら、ばくばく食べた。そういえばね、と寺山修司の話を始めたら驚いていた。
ーそれぞれの人生を生きて年くるる。
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